彼女(ら)は同一人物 13
わたしとわたしの「クローンアイドルユニット」。
写真集の撮影は続く。
カメラマンは、「不可解だ」と言った。
君がひとりなら、よくいる可愛らしいグラビアアイドルでしかないけどさ。
同じ姿かたちの君と君がカメラのフレームに収まると、とてもいい。
なんだろう、強い磁石みたいだ。
引っ張られて、次々とシャッターを切っちゃうんだ。
自分がふたりいるという、不思議さ。
で、そばにいる別な自分を感じながら、動く。
〈わたし〉がどう動くのかはわたしには伝わる。
〈クローンアイドル〉は、二人いる自分を楽しんでいる。
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