偽双子|彼女と、別の彼女について。Part5 それはきっと夢のようなキス。
彼女はふたり、あるいはそれ以上存在しているのだ。
わたしのクラウドストレージに大量に保存してある画像がそれを証明しているのだ。
さて、複数存在する彼女たちは、たがいの興味が惹かれ合うんだろうか、キスに執着するのだ。
最初はひとりだけだったはずだ。
ひとりではなくて、二人になって写っている。
彼女たちは断じて双子姉妹ではない。
彼女の出自を調べたことがあるが、両親との3人で暮らし、彼女は一人っ子だと戸籍も魅せてもらったことがある。
ところが、ソーシャルメディアで送られてきたクラウドストレージのURLと書き添えてあったパスワードで開いてみたら、彼女は〈彼女たち〉になって写真に収まっているのだ。
写真によって表情を変える、彼女。
さまざまな人の手で異なる時間に撮られた写真だと推測した。
おそらくは、アマチュア写真家相手の写真撮影会のモデルをしているのだ。
「そっくりな双子姉妹なんです」とか偽って。
清純で、平凡で、かわいい。
が、同じ姿かたちのふたりが並ぶと、なんだか性的な匂いが立ち上るような気もする。
穂にくら
彼女がなぜ複数出現したか、その理由はわからない。
奇跡というべきか、怪異現象というべきなのか。
クラウドストレージにはふたりの、あるいは3人の彼女たちがキスを試みる写真がたくさんあった。
彼女たちは執拗に唇を求める。
自分と同じ顔をした女の子の、自分と同じ形をした唇を奪おうと試みる。
唇を重ねながら、カメラを見る。
これは、あとで写真を見て楽しむために撮ったんじゃないか、そういう気がする。
見ているうちに、なんだかおかしくなりそうだ。
彼女が何人もいる。
それを想像するのは楽しいことだし、彼女がふたりで一緒に過ごすシチュエーションを絵にしていくこともまあとても楽しいことだと思う。
これを作成したウェブサービスの招待状を用意したので、興味ある人はどうぞ。
Quasar Z
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