まったく同じ姿をした美しいもしくは可愛らしい女の子が一緒に写ってる。

可愛らしさと、ちょっとだけの大人っぽさが見え隠れする、なんかバランスを欠いたような佇まい。
だけど、それこそが魅力。
そんな美少女が、ふたりいる。

熱帯の島の、湿気のある暑さのなかで幻想を見ているのかもしれない。
そう、これはぼけた頭のなかで繰り広げられる幻なのだ。

撮影は順調に進んでいく。

カメラマンさんが指示をすると、二人のわたしはうまく合わせることができる。
わたしとわたしだから、もうひとりの自分がどんな動きをするのかとかはよく分かるのだ。






撮影が終わり、みんなでホテルのレストランでごはんを食べた。
好きなものを取って食べる、ブッフェ形式のレストラン。
わたしは、ローストビーフと蒸した鶏肉、ミーゴレーン(やきそば)、野菜サラダとオムレツ、トマトとタマゴのスープ、パパイヤミルク。ココナツミルクのアイスクリーム・・・
わたしとわたしは、相談したわけでもないのに同じものばかり取ってテーブルに並べた。
みんなは、ふたりは何から何までそっくりだね、と感心していた。

わたしとわたしはカメラマンさんにお願いして、一緒の部屋にしてもらった。
ああ、それはいいね。仲良く寝るんだよ。
あんまりはしゃぐんじゃないよちゃんと寝るんだよ、とカメラマンさんに言われた。

部屋に戻って、
「おつかれさまでした」
「おつかれさまでした」
とたがいに言った。

いっしょにお風呂に入ることにした。
服を脱ぐのをわたしに見られると、わたしはちょっと恥ずかしい。
顔を合わせないように服も下着も脱いだ。

見てしまった。
だって、こうやって自分の裸を見るなんてことはないから、興味があった。
どんなのかなって。

コドモのカラダだね。
だってコドモじゃん。
コドモかあ。

わたしはわたしの後ろに回って胸に手を回した。
ほら、このあたりだってまだまだだよ。
わたしは身体をよじってわたしの手をふりほどいて、わたしの背後に回って胸を掴んだ。
ああ、とわたしが声を上げて、わたしはなんか悪いことをしたように感じて手を離して言った。
ごめん。
私のほうこそ変なことしてごめんね。
わたしはわたしの方を向いた。
ぎゅっと抱き合った。

服を脱いだら恥ずかしさがなくなったような気がした。

大きなジャグジーにふたりで入った。



〈最初からふたり存在した紗綾〉・・・

なんかよくない妄想かもしれないな。
小学生なのか、中学1年とか2年なのか。