乳液をたがいのからだに塗り合う、二人の女の子。

二人は完全に同一な外観を持っていて、本人たちは〈どちらもあたしなんですけど〉と主張している。
同じ姿かたちをした同一人物が、乳液を交代交代で塗るというのは、なんだかセックスの代替に思えてくる。

塗られるとき、また、塗るときに、小さく、ほぼ同時に喘ぐのだ。
あ、い、ん、などと、控えめに、短く。











くすぐったいよ。
こっちもくすぐったいよ。

あたしに塗ってあげる。
すると、あたしも塗ってる部分が同じようにくすぐったくなる。指の感触も感じる。
あ、これ、あたしたちはおんなじなんだ。
まるで見えないけど、つながってるんだなって。
感覚がつながってるあたしたちはどっちも「あたし」。
うれしい。
すごく。
うん。

ふたりいるんだ、あたしって。