異常だ。
とても異常であると言うしかない。

夏の午後、邸の広い庭に、裸の女の子がいる。
その女の子は同じ顔と身体を持っている、まひろとまひろなのだ。

まひろはまひろの裸を見ることができない。
自分の裸を見る恥ずかしさと、自分の裸を見られてしまうという恥ずかしさがふたつあって、目も合わせることなく佇んでる。
だけど、からだをくっつけてる。

胸を見せて。
え、恥ずかしいよ。
でもちょっとだけ、見せっこしようよ。

まひろとまひろが恥ずかしがってる。
そして、心の温度が上がってきたことに気づく。
じぶんとじぶんが一緒にいること。
それがうれしい。

じぶんとじぶんが一緒にいること。
心のどこかが熱くなってるってことは・・・








まひろはまひろに言う。
恋だよ。
恋をしているみたい。
誰に。
まひろに。自分にって、こと。

ショートボブ、いいな。