まひろです。
わたしには、恋人がいるんです。
自分です。つまり、まひろです。
まひろとまひろは恋人同士なんです。

だって、まひろは一人ぼっちだった時に恋人が欲しくてしかたなかったんです。
家に大きな鏡があるんですよね。

寂しいので、毎晩、鏡の向こうのわたしに話しかけてはキスをしていました。
鏡は冷たいんだけど、それが感じられなくなるまで唇をくっつけていました。
胸をくっつけてみました。
鏡の向こうのまひろは恥ずかしそうでした。

わたしを見せて、鏡の向こうのわたしのを見て、指を使いました。だんだん意識が曖昧になってきて声を出していたと思います。
まるで逆らえない波の中にいるみたいに、わたしは鏡の向こうのまひろを求めました。

しばらく眠っていたようです。
聞いたことのあるようなないような、誰かの声で目を覚ましました。

まひろがいました。

新しく創ってストックしているものがいっぱいあるのに、ふと目にに止まった子をふたりにしてみたくなった。
この子もそう。








大胆になれるのは2人でいるからです。