偽双子|ワタシがジブンと会って意気投合した件。2
ああ。
あたしって、こう見えるんだな。
ふたりのあたしは、自分の見え方というものにちょっと感動している。
鏡の中の自分を飽きずに見ていられるような人間なので、うれしい。
だけど、自分を自分が見ている状況は、ちょっと怖いと思う。
・・・あたしだよね。
・・・あたしだと思うよ。
並んで立ってみたけど、あたしがあたしなのか、向こうのあたしはあたしなのか、迷いがある。
自分の一部が分離して動いている、そうだとは思うんだけど、自分の一部が分離したということがなんか怖いよううなそうでないような。
脚を見ている。
ああ、四本の脚が並んでる。
並ぶと何か面白いな。
脚の開き具合って、まったくおんなじっぽく見えるな。
ねえ。
なあに。
慣れた?
うーん、少しドキドキしてるんだよね。
慣れないかな。
自分がさ、ふたりになってるっていうの、なかなか慣れないと思う。
ほんと、ドキドキだよ。
胸に触ってみる?
え?
冗談だよ。
触ったりしたら、どうにかなってしまうかも。
合体してひとりに戻る、とかね。
ついつい続きを創っちゃった。
「なにかしちゃいそう」な雰囲気が少しでも感じ取ってもらえたらうれしい。
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