これから、わたしたちに起こったことを、できる限り詳しく記録しようと思う。
ソーシャルメディアでこれを発表したら、わたしたちと同じ経験をした人たちが読んでくれるかもしれない。

わたしたちは二人いるけれども、孤独な気がする。
だって、他の人たちが経験したことのないような経験をして、いまもそれが継続している状態だから。

わたしたちは、仲間がほしい。
一緒にお話がしたい。
孤独はイヤ。

これが、わたし。
わたしは、平凡な女の子だと自分で思っている。
「どこにでもいるような」、という形容がぴったりな女の子なんじゃないかと思う。
目立つことは極力避けて、普通に毎日暮らせたらと思う。

名前は、香織。
父親、母親と三人暮らし、経済的にはそこそこ豊かな家なんじゃないかと思う。いちおう進学校と呼ばれる高校に通っている。

男の子の友だちはいない。
LINEのIDを交換した男の子は何人かいるが、とくにメッセージのやり取りはしていない。
ひとりはいやらしいメッセージを送って来たのでブロックした。

スマホで自撮りするのは好きで、撮ってぼんやりと眺めたりする。





わたしは心臓が止まりそうな事件に会った。

わたしは二人いたのだ。
生き別れの双子の姉妹とかでなく、わたしがふたり。