偽双子|平凡なワタシがふたりになったことについて。Part2
これ、わたしの写真。
どこから見ても目立たない、フツーの女子だと、自分では思っている。
そんなわたしはある日突然、フツーではなくなった。
あの日、学校が終わって、わたしはショッピングモールに行った。
家から歩いて10分くらいの場所にあって、ちょっと便利なところだ。
父親が遠くに出張して、数日帰らない。
母親も仕事で今晩は遅くなる。
で、じぶんで晩ごはんを作るか、どこかで食べてくるかしなさい、と母が言った。
フードコードかファミリーレストランでなにか食べるか、それかコンビニでなにか適当に買って家で食べるか?
なんて思いながらコンビニを通り過ぎてショッピングモールに行った。
エントランスにあるモールの案内図を見ていたときに、あれ、という女の子の声が聞こえた。
振り返ると、わたしが立っていた。
わたしは、スマホを取り出して、目の前にいるわたしを撮った。
眼の前のわたしも、スマホをわたしに向けていた。
あ、同じこと考えてて同じことするんだから、わたしだな。
って思った。
「ごはん」
とわたしが言った。
「そうだ、ごはんだ」
ふたりで、まずはごはんを食べることにした。
わたしとわたしで写真を撮るのって、めずらしいので、たくさん撮った。
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