偽双子の写真というものに限りない憧景を抱いている。
偽双子の写真がたっぷりと収められている写真集があったらいいなあ、と夢想する日々があった。書店に行って写真集の新刊を調べるのは日課のようなものだった。
もちろん、そんな好意は徒労なんだけれども。

新人グラビアアイドルは双子シスターズ?
いいや、そうじゃない。
これは最新技術を駆使して作り上げた、フェイク・ツイン・シスターズなのだ!
夢なんかじゃない。
衝撃の本人どうし、夢の共演がここに実現!

このような帯の付いた写真集があったらいいな、と思うばかりだった。

多くの場合、写真を眺めながら、幻の写真集を夢想するが、〈実物〉があったらいいなと思うこともある。
写真の合成写真に詳しい人を探して、偽双子写真を撮ってもらおう。
そう思ったけれども、偽双子を合成して創れる写真家と出会うチャンスはついぞなかった。
仕方がないのでパソコンで写真を加工する方法を自己流で覚えて偽写真集を創ってやろうと思いたち、(中略)本日に至るのだ。
自己流なのでまったくもってうまくもないが、自己満足を得らればそれでなんの問題もない。

 

同一人物がふたり、双子姉妹のようにして写っている。
そういうのを偽双子写真とわたしは呼んでいる。
いまなら、 #同一人物CP、#同一CP 写真と呼んでもいいかもしれない。

〈ふたり〉の姿かたち、来ている服、表情、雰囲気が限りなく同一に近いが、ちょっとだけずれがある。
そんな感じの偽双子写真が好きだ。

なるべくなら同時期で、同じ髪型、同じ服のふたりというのがいい。

同一人物なので動きや表情は同じものになるはずだが、タイミングによっては微妙にずれている。そんなのが見たいと思いながら画像を創ってみた。

 

 







長い期間、おなじひとを偽双子の偽造し続けていると、経年的な変化を反映させながら創っていけるということも、なかなか面白い。
夏目理緒偽双子は徐々に露出が上がっていくという、まあ、あまり売れないグラビアアイドルにはありがちなことなので、ほかの無名グラビアアイドルでもやったりしているけれども。

偽双子写真を偽造してその写真からあれこれと物語を妄想するのが楽しみの一つである。

 

 

〈本物とにせものにおける相似性〉などと書いてみるが、本人どうしだから、相似性があるに決まっている。

 

 

 

 

考えてみれば、「偽双子写真集」「偽双子イメージビデオ」が出てないからこそ私はこういう趣味をやってる。
いいのか、悪いのか。

まあ、いいのかもしれない。
妄想上とはいえ、いろいろなひとを偽双子に仕立てて楽しんでるのだから。

大金持ちのおっさんの中には映像制作会社を呼んで個人専用のアダルトビデオを作らせるというのがあるのだそうだ。
どっかで聞いた話ではあるじいさんが個人用アダルトビデオを撮らせたが、延々と若い女の子の肛門を映すだけで良い、というオーダーだったのだという。
世界は広いので、どこかには自分だけが楽しむ偽双子写真集とか偽双子イメージビデオを作らせて、ひとり悦に入る金持ちの変態はいるのではないだろうか。
などと思いつつ、今回の偽双子写真集おしまい。








ミスマガジン2003 夏目理緒 [ 夏目理緒 ]