東京のいいところは、大きな本屋がたくさんあるということだ。
店内を見て歩くだけで2、3時間、ちょっと立ち読みなどしながら5,6時間過ごす。
なんと幸福なことだろう。

その書店は、アイドル好きの聖地とも呼ばれる店に入った。上に登ると、フロア全体がアイドル写真集、アイドルのイメージビデオ、アイドルのカード、生写真、カレンダーなどが溢れんばかりに並べてあるのだ。
ここで心ゆくまでお気に入りの写真集、あるいはイメージビデオを探すのは至福の時間である。

たとえ買わないとしても、写真集を吟味する時間の愉楽は何ものにも代えがたいとさえ思うのだ。

見つけたい写真集がある。
見つけたいイメージビデオがある。

 

 







新人グラビアアイドルは双子シスターズ?
いいや、そうじゃない。
これは最新技術を駆使して作り上げた、フェイク・ツイン・シスターズなのだ!
夢なんかじゃない。
衝撃の本人どうし、夢の共演がここに実現!

こんな宣伝文句の付いた写真集を妄想する。
グラビアアイドルのういういしい姿、しかも、慣れない自分との共演に戸惑っているようにも見える。

 

 

 

 

 

 

考えてみれば、「偽双子写真集」「偽双子イメージビデオ」が出てないからこそ私はこういう趣味をやってる。
いいのか、悪いのか。

まあ、いいのかもしれない。
妄想上とはいえ、いろいろなひとを偽双子に仕立てて楽しんでるのだから。

「写真集」に幻想を抱く。
なんていうことは、もはやどうしようもなく古い。
本屋がどんどん減り、写真集を店頭で買うという機会もほぼない。

アイドル/グラビアアイドルにとっても、「写真集」を売るというのはもはや商売になりえないのかもしれない。










ミスマガジン2003 夏目理緒 [ 夏目理緒 ]