まひろとまひろは運動している。

後ろにいるまひろは、前にいるまひろを見ている。
自分の背中を見る。そんな経験をした人って、人類多しといえどもまひろくらいなんじゃないかな。
ああ、自分の背中が動いているのを見るのって、なんか不思議だよね。筋肉の動きとかさ。

わたしは、屈伸運動をすると、う、とか、あ、とか声を出しちゃうんだけど、前のまひろも声を出してる。
ていうか、同じタイミングでう、とか、あ、とか声を出しちゃっている。

しばらく屈伸を続けていて汗が出てくる。
前で屈伸をしているまひろのトレーニングウェアに目をやる。
ところどころ、汗で色が変わってきてる。
あたしも同じように汗をかいていて、トレーニングウェアの色も変わってるんだろうな、と思う。
前のまひろが振り返って、場所を交代しましょうよと言った。

背後に回ったまひろは、汗をかいて、トレーニングウェアがところどころ変色している。

自分の背中を見る。そんな経験をした人って、人類多しといえどもまひろくらいなんじゃないかな。
ああ、自分の背中が動いているのを見るのって、なんか不思議だよね。筋肉の動きとかさ。

わたしは、屈伸運動をすると、う、とか、あ、とか声を出しちゃうんだけど、前のまひろも声を出してる。
ていうか、同じタイミングでう、とか、あ、とか声を出しちゃっている。

このようにまひろとまひろの世界はループしているのだった。

ちょっと休憩。
まひろは気づかれないようにまひろの匂いを嗅ぐのだ。








汗の匂い・・・ジブンの匂いなのか、もうひとりのまひろの匂いなのか、どちらなのかわからない。
だけど、その匂いがまひろの気分を高揚させるのだ。

なんか、変、まひろ、いい匂い。