偽双子|まひろとまひろの恋人たちの時間 6 汗とフェロモン。
まひろとまひろは運動している。
後ろにいるまひろは、前にいるまひろを見ている。
自分の背中を見る。そんな経験をした人って、人類多しといえどもまひろくらいなんじゃないかな。
ああ、自分の背中が動いているのを見るのって、なんか不思議だよね。筋肉の動きとかさ。
わたしは、屈伸運動をすると、う、とか、あ、とか声を出しちゃうんだけど、前のまひろも声を出してる。
ていうか、同じタイミングでう、とか、あ、とか声を出しちゃっている。
しばらく屈伸を続けていて汗が出てくる。
前で屈伸をしているまひろのトレーニングウェアに目をやる。
ところどころ、汗で色が変わってきてる。
あたしも同じように汗をかいていて、トレーニングウェアの色も変わってるんだろうな、と思う。
前のまひろが振り返って、場所を交代しましょうよと言った。
背後に回ったまひろは、汗をかいて、トレーニングウェアがところどころ変色している。
自分の背中を見る。そんな経験をした人って、人類多しといえどもまひろくらいなんじゃないかな。
ああ、自分の背中が動いているのを見るのって、なんか不思議だよね。筋肉の動きとかさ。
わたしは、屈伸運動をすると、う、とか、あ、とか声を出しちゃうんだけど、前のまひろも声を出してる。
ていうか、同じタイミングでう、とか、あ、とか声を出しちゃっている。
このようにまひろとまひろの世界はループしているのだった。
ちょっと休憩。
まひろは気づかれないようにまひろの匂いを嗅ぐのだ。
汗の匂い・・・ジブンの匂いなのか、もうひとりのまひろの匂いなのか、どちらなのかわからない。
だけど、その匂いがまひろの気分を高揚させるのだ。
なんか、変、まひろ、いい匂い。
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