実は、わたしとわたしは、わたしとわたしに起こったことをうまく理解することもできず、ふたりして嗚咽しながら涙を流していたのだった。

わたしはわたしの顔に舌を這わせて、涙を掬い取った。
わたしも向かい合うわたしの顔に舌を這わせた。

わたしって、舌が長いな、なんて思ってたら、向かい合うわたしは私の口に舌を差し込んできた。



舌を使って、ふたりして遊んでいる感じが気に入ってる。
肌が荒れてる感じが醸し出す〈リアル〉ぽいのも悪くないな、と思う。