良く、言葉をかわす。

わたし、うれしいんだよね。
乃南が言った。
わたしも同じだよ。
乃南は答える。
一緒にいると、いいね。
うん、とてもいいと思う。

もう何遍もそういう会話をくり返している。
朝、目が覚めると隣で寝ている自分に言うのだ。
1日ごとに交代しながら、同じ言葉を繰り返す。なんか、そんなことが習慣になっている。








夜の間、ふたりはベッドに裸になって過ごす。
さいしょのうちは、ベッドが狭いなと思ったけれども、慣れてきた。
ふたりで寝るのって、いい。
自分の、風呂上がりの匂い。
愛し合うときの体臭。
それを感じながらいつか眠る。
眠りに入るタイミングは、たぶん同時何じゃないかと思う。

秋が深くなると、ギュッと抱き合って同じタイミングの鼓動を感じながら眠る。

ふたりになってずいぶん時間が経ったね。
長い間、一緒に暮らしてきたような気がするね。
で、出会い(あるいは分離というか分裂とでもいうべきか)もひどく曖昧模糊として覚えていない。





粗い画でも、いや、粗い画だからこそ雰囲気が出せるシチュエーションもあると思う。
というか、粗い素材って色々いじるのが楽しい。