わたしは、グラビアアイドル。
ある朝起きたら、ベッドにはわたしが二人になって寝ていた。

なので、マネージャーに相談したら、有能な彼女はいろいろな段取りを付けてくれた。
ふたりとも社会的に生活できるようにしてくれたようだ。

今日は、もろもろの手続きをして、社長に挨拶をするために事務所に来た。

「ほんとうに、同じ顔だな、おい」
と社長はふたりの顔に近づいて、交互に見比べた。
「どっちがニセモノなんだ?」
「どっちもわたしです」
「どっちもわたしです」
わたしはiPhoneを取り出して、指紋認証をしてみせた。
iPhoneを隣に立ってるわたしに渡した。わたしは同じように指紋認証をしてみせた。
「どっちも、どっちの同一人物なのか、すごいな」
わたしはわたしの手を握ってちょっと力を入れた。わたしもわたしの手を握り返してきた。

「世界には不思議なことはいっぱいあってそれが私どもの身近でも起こったわけです」
とマネージャーが言った。

社長は顔が広い。
マネージャーが言うには、裏表通じていろいろつながってるヤバイひとらしい。
「たまにメシ食ってカネを渡すと、いろいろと役に立つことしてくれるんだよ」
今回の件は、知人のある政治家に、〈うちのタレントのなかに、生き別れの双子の妹と再会した娘がいる。その娘の家はわけありで無戸籍で育った。再会を機に、戸籍を作りたい〉旨を相談した。
政治家はスマホを取り出してどっかに電話して要件を伝えると電話を切った。
「30分くらいでなんとかするそうだ。お茶でも飲んで待っててくれ」
30分経つと、銀縁眼鏡で痩せぎすでこれと言って特徴のない平凡な感じの、いかにも役人然とした男が金属のカバンを持ってやってきた。カバンから茶色の封筒を取り出した。
「戸籍謄本の写しをお持ちしました」

このようにして、わたしとわたしは戸籍上は姉妹になった。

戸籍名はわたしとわたしで考えた。








グラビアアイドルは顔はいいが、カラダは平凡とか、カラダはすごいけど顔がちょっと・・・とかいるわけだ。
だけど、その両方とも、写真もビデオも表情が動きがおもしろくないというひとばっかり。
顔だちが美形でも表情が乏しいと何の魅力もない。
そんな中、この子はコロコロ変わる表情がおもしろくて楽しそうで、飽きずに眺めていられる。
とても気に入っている。











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