偽双子|小島みなみと小島みなみが二人いて、東京のどこかのマンションに潜んでいる。
小島みなみ。
小島みなみ×小島みなみ。
東京のどこかに2人に分かれた女性が密かに匿われているという、変な噂があった。
女性ふたりは完全に同じ存在で、おもしろがった金持ちが囲って軟禁状態に置いているのだという。
しかし、誰もがそんなのは与太話だと笑った。
わたしが今、いっしょにいるのもわたしだ。 わたしがいま話している相手もわたしである。 わたしはどちらもわたしに違いなかった あの日、わたしは家のソファに座ってスマートフォンで動画を見ていた。 めまいを感じた。目が回った。 世界がぐにゃりと曲がったような気がした。 ・・・・ 脚が誰かの脚に触れているのに気づいた。 となりに誰かがいる。少し怖くなった。 思い切って見てみた。 女性がいた。 あ、と小さく叫んだ。 その女性もわたしと同時にあ、と小さく叫んだ。 わたしだった。 わたし? そう、わたし。
YouTubeに公開したもの、続いてはバックアップでグーグルドライブに上げたものです。
恋人に連絡した。 詳しい経緯は省くけれども、秘密の場所で暮らすことになった。 ときどき、医師の検査を受けたり、別の医師のような人に質問されたり、質問に記入させられたりした。 真面目を絵に描いたような人数名にインタビューされたりもした。 ふたりが同じなのか、違いがあるのかを調べているようだ。 それ以外の時間は概ねやることもなかった。 となると、自分と自分が対峙する時間が続くのだ。 一緒にいると〈自分〉に見られているという状態が恥ずかしく感じることもあれば、ちょっとばかり楽しく感じる ときどき、ふたりとも不機嫌になった。 ふたりで思い出話をすると記憶が細部まで同じことに驚き、悲しい思い出を話すと泣き、楽しい思い出を聞くと笑った。 ちょっと幸せな感じがする。 わたしはわたしが好きだ。
彼女たちは、国家の情報機関の調査対象となった。 同一存在がふたり存在するという事象は都内で何件か起きていて、調査対象は5組に及んだ。 調査対象の居住する住居、アパートも徹底した調査が行われた。 しかし、その原因は今のところ掴めていない。 国家は同一存在のどちらか一方の存在は〈並行宇宙〉から来たのではないかという仮設を有力だと考えているようだが、確証は何一つ出てこない。 〈並行宇宙〉の実在は、世界を震撼させる事態を出来させるはずだ。 アメリカはこの事態に強い関心を抱いていた。 〈並行宇宙〉が実在することが明らかになり、往来できるようになったら、世界は根本から変えてしまうインパクトが生じるかもしれない。そんな途轍もない事象を属国たる日本に任せておくわけにはいかない。 日本に強い圧力をかけて、調査対象引渡しを強要した。 いま、調査対象の消息は杳としてしれない。
これ、数分のショートムービーを見つけて、それから偽双子画像を創ってみたらけっこうな枚数になった。
枚数が多いのでムービーにまとめた。
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