偽双子画像。

「偽」であることにいろいろと込めているのだ。
まずはなんといっても「偽の双子」を創るということ。
実在しない、妄想の中に存在する双子姉妹を創るということ。

で、これらの画像は「写真」のように見えて「写真」ではない。
偽物でしかない。

光の向きや加減、影のつきかたや濃淡、アイキャッチの入り具合。
写真としてはおかしいものが多数ある。
写真の知識がないままテキトーに創ってるだけなので、まがいものなのは一目瞭然だと思う。

写真ではないので、「偽双子画像」と書いている。
偽の双子の偽の写真。

これは向きを変えてみたほうがいいんじゃないかと思って創った。
オリジナルがどっちの向きか忘れた。






写真のまがい物を使って何を見せたいかというと、〈妄想〉である。
妄想なのだ。

ここに女の子がいる。
彼女は、ある妄想に取り憑かれている。
「わたしがもうひとりいる」という妄想である。
わたしの隣にわたしがいる。
わたしとまったく同じ姿をしていて同じ服を着て同じ靴を履いている。
わたしはわたしと親密になりたい。
からだを寄せ合って鼓動を感じたい。
わたしにわたしの話をきいてほしい。
わたしの体温を感じたい。

「わたしがもうひとりいる」という妄想。
それは甘美であり淫靡だ。

こんな女の子の妄想を画にしたとしたらどうなるのか。
なんてことを考えると、今回紹介するような偽双子画像を創ってしまうのだ。

画像を創っているときは」うっすらとぼんやりと物語になりそうな何かが頭の中で浮かんでは消える。
それもまた楽しみ。