「からかってるのか」
おれは声に怒気を込めて言った。

そうだよ。
シャレに決まってるでしょ。

あなたが君たちは同じ人間なのかとかクローンなのかとか並行世界から来たのか、みたいなことをぶつぶつ言っててキチガイみたいで面白いから。
あたしたちはただの双子の姉妹なの。

がっくりきた。
おれはこの子たちが〈同じ人間〉であることにひどく興奮を覚えた。
同一存在の美少女を脱がせて写真を撮っていることに異様なくらいアガったのだ。

だけど、それは嘘だったというのか。

それでも撮り続けたい。
安くはないカネを使ってこの子たちを呼び、スタジオを押さえたのだ。
写真を撮り続ける。











お腹空いたな。
うん、お腹空いた。
ふたりが言った。

撮影スタジオ近くのファミリーレストランに行くことにした。
注文し、ドリンクバーから飲み物を取ってきて、席に着く。

並んで座るふたりは、やはり、そっくりだった。
顔を見ると、ほくろの位置が全く同じだった。3つほど同じ位置にあるのを数えた。
双子で、ほくろの位置が同じだなんて、そういうことがあるんだろうか。
撮影しているとき、胸の控えめな大きさも非常によく似ていると思った。

ちょっと、見てほしいものがあるんだけど。
ふたりは同時になにか、カードのようなものを差し出した。
それは学生証だ。

顔写真も、学籍番号も、そのほか記載されている内容はすべて同じだった。

どうですか。
ふたり同時に言った。












動画から作っている