真野恵里菜は正統派のアイドルなのだと思う。
かつて、アイドルと呼ばれた人たちの持っていた雰囲気を持っている。

しかし、現在のアイドル状況にあって、<正統>などとという形容を用いていいのかどういいのかどうかは悩ましい。アイドルは解体され、細分化されているからだ。
もはやアイドルには美人であることも清純であることも処女性も虚構性も求められてはいない。今ではブサイクな女の子たちが呻吟するさまを、リアリティ・ショーとして楽しむのが主流であるらしい。
こんな趨勢にあって、真野恵里菜は<70年代・80年代のアイドル>のパロディのようにしか見えない。それは、時代の不幸なんじゃないだろうか。



清純派クローンアイドルの誕生を妄想する。
アイドルは虚構性の高い存在だということを突き詰めると、同じ人間がふたりでデュオを結成するなんてのはありだと思う。

ある日、スタジオライブ番組で唄う真野恵里菜の隣に、真野恵里菜が立つ。
ふたりとも「真野恵里菜」だと主張して言い争うものの、そこは本人同士、すっかり意気投合しちゃってデュエットなどする。

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