3日間のオフタイムとなった柏木由紀は、東京から遠く離れた温泉地に向かった。飛行機で2時間半、バスで50分。
そこには古くて広い、どっちかというと寂れている温泉観光ホテルに投宿した。
中居さんの案内を断って部屋に入ると、なかには先に着いていた柏木由紀がいる。

「おそいよ」
「ごめんごめん」
と、来たばかりの柏木由紀はコートと上着を脱いだ。
すると、先にチェックインした柏木由紀がウォークインクローゼットに架ける。

「ごめんね」
と来たばかりの柏木由紀はもうひとりの柏木由紀に抱きつく。
数十秒抱き合って、同時にからだを離したと思ったら、唇を合わせた。

あふっ、と意味のない声をふたりの柏木由紀が漏らす。

ふたりはしばらくキスを続けた。








使い捨てカメラで撮った写真みたいで、場末の温泉観光ホテル