会社である。
その日は土曜日なのだけれども、彼女は休日出勤しないといけない。
社内規則では、社内にいる時、制服着用と決められているので、ロッカーで制服に着替えた。

着替えを終えて、自分の席に行く。
そこには、自分がいた。
どう見ても自分だ。



あなたは誰なのとふたりは同時に言った。
わたしよ。
わたしもわたしよ。

などと、わたし同士の言葉の応酬が続いた。