誰かに似てる君はふたりいる。Part4
まったく同じ顔、同じ姿に同じ声。
少なくとも私にはそう見える。
双子姉妹なのか、そう質問すると、曖昧に笑う。
同時に、同じ笑顔を見せる。
もしかしたら、このふたりは、ひとりの女の子だったのが、分かれてしまったのではないか。もしかしたら、なにか奇跡的なことが起こって、ひとりの女の子がコピーされてふたりになったのではないかとか、頭の一部がしびれたようになりながらふたりを見ている。
ふたりはことばをかわさず、たまに眼と眼を合わせる仕草をしながら、人のいない公園を歩いている。
わたしはその後から、ぼーっとした頭のままであとを追う。
ふたりは急に振り返った。
わたしは、ふたりでひとりかもしれないよ。
ふたりは同時に言った。
素朴でかわいらしい女の子が、ふたりでひとつ。すばらしいんじゃないかな。
ごくフツーの女の子が、まったく同じ姿でふたりいる。
というシチュエーションが好き。
「なんだ、双子の写真ですよね」とか言ってもらえたら、うまくできたぞと快哉を叫びたい。
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