彼女(ら)は同一人物 21
砂浜で、砂で山を作っていた。
かなりの高さになった。富士山みたいなりっぱな山ができた。
なので、あたしは「よし」と声に出してみた。
すると、砂で作った山の向こう側からも「よし」という声がした。なんか、聞いたことのあるような、ないような声だ。
誰かがいる。
あたしは動いて、誰か確かめようとした。
むこうの誰かさんも動いた。右方向に廻ると向こうも右方向で廻っていて、同じ速度で動いてる。
姿が見えない。
何度も回っていると後ろ姿がちょっと見える。
あたしと同じ服の女の子だ。
ねえ、走るのやめようよ。
そうしましょう。せーのっでストップだよ。
せーの。
せーの。
止まった。
そっちに行っていいかな。
向こうから声がした。
いいよ。
女の子が来た。びっくりしたような顔をしている。
あたしもびっくりした顔をしていると思う。
一緒に砂でなにか作った。
おじいちゃんの家に戻った。
そこからのことはあんまり覚えていない。
おばあちゃんが、あらかわいい子が二人になってうれしいわ、と言ったのは覚えている。
そうか、前もあったね。あたしとあたしが一緒にいるって。
水着を着た同一人物共演って創ってると楽しいんだよね。
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