彼女(ら)は同一人物 10
わたしはわたしと組んで「クローンアイドルユニット」になった。
写真集の撮影をしている。
いいね、君たちは全くおんなじに見える。
前に双子のアイドルを撮ったことがあるんだけど、そっくりだけれども撮っていると違いが出てくる。あたりまえだけど、個性が出てくるんだ。あたしたちは違うと無意識のうちに主張してるんだ。
あ、似てるけど違うとわかる。
君たちは、違うかなと思うと同じ振る舞いをする。表情もそうだ。
ふたりは同じ存在なんだと思うと興奮してくるよ、すごいね。
と、カメラマンが早口で言った。
休憩時間になった。
撮った写真をPCで見せてもらう。
写っているのは、わたしと一緒にいるわたし。
どっちがどっちなのかがわからない。
クローンアイドル。
いろいろなアイドルをクローンアイドルにしたいと思うけれども、ピンとくるコってなかなかいない。
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