政府機関の依頼した風変わりな作業を、わたしはおおいに楽しんでいる。

私が請け負ったのは、突然、ふたりになったミカ=ユカ/ミカがこれまでに過ごした(ニセモノの)日々を写真の加工によって創るという作業だ。

そんな風変わりな作業に、私は時間を忘れて取り組んでいる。
ふたりのミカの過去の歴史を捏造する作業に夢中になった。

私は〈双子モデル〉としてのユカ/ミカの写真を合成しつつ創り上げる。






写真を加工しながら、私はミカ=ユカ/ミカの人となりに思いを致すのだ。
ふたりは人前に出ればとてもおとなしい姉妹である。おそらくは同一の存在だということが、他人に知られないようにという一種の自己規制が働いているのだ。

しかし、二人きりだと明るくはしゃいでは、自分(たち)を解放する。



ふたりは「姉妹」だ。
しかし、本来は一人だった存在である。
私は、一人の少女が分かれて二人姉妹として振るっていることに興奮を覚える。

「姉妹」を写真の上に創りながら、私は性欲に身を焦がしている。