偽双子を捏造していて、いつも思うのは<ふたりを密着させたい>ということ。
ふたりが虚構の存在であればあるほど、その思いは強くなる。

公園をブラブラしていると美しい女の子がベンチに座ってスマホをいじってて、目を奪われる。
で、彼女が見える位置のベンチに腰かけてこっちもスマホをいじるふりして彼女を見てみる。

しばらくして、女の子が彼女の横に座る。
呼吸が止まるかと思った。
まったく同じ姿かたちをした女の子なのだ。

あれ、あなたはわたしなの。
と、ベンチに座ってたほうがいう。
そうだよ。わたしはあなた。

どういうこと?
と二人のコトバがシンクロした。

わかんないけど、取りあえず散歩しない?
とあとから来た彼女が言い、
ベンチから立ち上がった彼女は、首を縦に振った。

ふたりは歩きはじめた。
すぐ、手をつないだ。



密着した偽双子を、創っていきたい。